そもそもポリ袋ってなに?
ポリ袋は大きく分けて2種類
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ポリエチレン製
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ポリプロピレン製
ポリ袋とはプラスチックの一種であるポリエチレンまたはポリプロピレンでできた袋のこと。材質の表記に「PE」とあればポリエチレン製、「PP」とあればポリプロピレン製という意味です。
ポリエチレン(PE)
加工しやすく軟らかい材質のポリエチレン
ポリエチレンは多くの種類のプラスチック素材の中で、もっとも加工しやすい素材です。
軽く、電気を通さず、薬品に強いという点ではポリプロピレンとよく似ていますが、防水性がきわめて高く水に浮くため、タンクやバケツ、救命用の浮輪や胴衣(ライフジャケット)などにも利用されています。
ポリエチレンを応用した「EVA樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)」は基本のポリエチレンよりよく伸びて弾力性があり低温にも強いのが特長で、毎日の暮らしのなかでよく見かける素材です。
サトウキビの搾りかすから作られるグリーンポリエチレン(グリーンPE)
通常のポリエチレンは石油由来の「ナフサ」を原料としていますが、近年ではサトウキビを絞ったあとの繊維からプラスチックを作ることができるようになりました。もちろん、従来のポリエチレンと同じように利用できます。
石油資源への極端な依存から脱却するとともに、サトウキビが育つ過程での光合成によるCO2削減も期待できるため、世界各国で需要が高まっています。
砂糖とポリエチレン原料の両方が効率よく生産できるため、貧困地域の経済発展にも貢献。これからの暮らしの中で、積極的に取り入れていきたい素材のひとつです。
温暖化ガス削減効果
ブラジル BRASKEM 社のグリーンポリエチレンを使用した製品による
温暖化ガス削減効果(kg-CO2eq/kg-PE)
石化由来PE
グリーンPE
燃焼した場合のCO2排出量比較
※(Braskemはグリーンエネルギーを使っている為,製造工程での排出量も削減)
石油由来ポリエチレンのCo2 排出量4.57kg-Co2/kg-PE*1 に対し、Green PE は、
1.35kg-Co2/kg-PE*2。1kg のご使用で、約3.3kg-Co2 のCo2 排出削減が可能となります。
これは、ガソリン燃焼時のCO2 量に換算して1.4 ㍑分に相当します。
*1 経済産業省LCA データ*2Braskem 試算(Green PE 焼却時のCo2 排出量3.14kg は、サトウキビ育成段階に吸収しており、カーボンニュートラル。製造時~日本輸送にかかる1.35kg のみ。
メイドインジャパンの小箱袋を使っていただくと…
メイドインジャパンの
小箱袋(10枚)
蛍光灯約270分の
CO2の削減効果
- 灯油タンク
- バケツ
- 救命胴衣、救命浮輪
- 食品パッケージ、食品保存容器
- 詰替用洗剤のパッケージ
- 農業用フィルムシート
- サンダルのソール
ポリプロピレン(PP)
軽くて硬度・強度に優れたポリプロピレン
ポリエチレンとよく似ていますが、軽いのに硬度・引っ張り強度に優れ、電気を通さず、酸やアルカリ、鉱物油にも強いという特長があります。袋だけでなく家電製品や医療機器、食品容器など幅広く利用されており、最近では3Dプリンターの材料にも使われています。
ちなみに、ポリプロピレンを作るための触媒を発見したドイツの化学者カール・チーグラーと、合成方法を確立したイタリアの化学者ジュリオ・ナッタは、この業績でなんと1963年のノーベル化学賞を受賞しています。ポリプロピレンは、そのくらい社会や暮らしを大きく発展させた素材なんですよ。
- 食品用タッパー、コップ、皿などの食器
- 衣装ケース
- CD、DVDケース
- 自動車用部品
- 家電のケーシング
- 使い捨てオムツ
- 繊維製品(衣類、ロープ等)
試験に出る、かも? ポリ袋の歴史をおさらい
高度経済成長期に急速に普及したポリ袋
- 1898年
- ドイツの化学者ハンス・ヴォン・ペヒマンがポリエチレンを偶然に発見
- 1930年代
- ポリエチレンの合成方法が開発される
- 1950年代
- ポリエチレンが安価に大量生産できるようになり、世界中に広がる
- 1952年
- 東信化学工業(トミーケミカルの母体)がポリエチレンフィルムの製造販売を開始
- 1963年
- イタリアの化学者ジュリオ・ナッタがチーグラーの触媒をもとにポリプロピレンの合成に成功
- 1960年代
- 日本企業 が梨狩り客のためにポリエチレン製の手提げ袋を開発、製造
- 1962年
- 日本でもポリプロピレンの生産がはじまる
- 1970年代
- 高度経済成長の波に乗り、現在のような「レジ袋」が全国普及
- 1973年
- チーグラーとナッタがノーベル化学賞を受賞